a.皮膚の腫瘍

2014年7月 1日 火曜日

汗腺嚢胞が長期の経過を経て腫瘍化した犬の1例


5歳齢、雄のウェルシュ・コーギーが腰部のしこりを主訴に来院した。しこりは左側腰背部皮下にφ2.6×2.3cmで存在していた。
細胞診を行うと内部から透明な液体が排出ししこりは消失した。吸引した液体には細胞成分は少なく、悪性所見は認めなかった。その後、増大を繰り返しその都度吸引排出を繰り返して維持していた。


治療開始より2年8カ月経ち、再びしこりの増大を認め、吸引処置を行ったが少量しか吸引できず、エコー検査では内部が多嚢胞状に変化している事を確認した。細胞診では炎症細胞と共に一部に細胞集塊を認めた。細胞に明らかな悪性所見は認められなかったが、外科的に切除をすることにした。




病理検査の結果は汗腺腺腫。汗腺の過形成病変が時間をかけて腫瘍に移行したものと診断された。切除後の経過は良好である。

先日、ワクチン接種に来院されました。

術後2カ月半が経ち、発毛して傷がどこだったか分かりにくくなっていました。繰り返していたしこりの再増大はなく、経過良好です。

投稿者 レオどうぶつ病院 | 記事URL