レオどうぶつ病院腫瘍科ブログ

2014年8月 8日 金曜日

足底部のカリフラワー状腫瘤を結紮処置によりQOLが向上。

6歳齢、雌のフェレットの左後肢、足底部に2か月前に腫瘤が発生し、増大と共に自壊し始めた。

腫瘤はメインパッドの隣に張り付くように存在し、表面は不整で自壊・出血があり、カリフラワー状に拡がっていますが、良く見るとその基部はくびれがあり細くなっているようでした。
症例は現在、他疾患の治療中であり、まずは対症的に無麻酔での結紮処置を行うことにしました。

結紮には手術用の絹糸を使用しました。フェレットは飼い主さんに抱いていただきながら結紮が終了すると、腫瘤は紫色に変色しました。しこりへの栄養血管を遮断することにより腫瘤は徐々にミイラ化して、うまくいくと1~2週間でポロリと脱落する予定です。

10日後、腫瘤が脱落しました。予想通り基部は細く、約2mmほどの痕跡がありました。

しこりがなくなり動きが良くなったということです。このようにしこりの基部がくびれており、良性のイボのような病変を疑う場合には結紮処置が有効です。

しこりが腫瘍の場合には脱落した基部より再発をしますので、若い動物であれば外科的に完全切除することが望ましいと考えられます。高齢の動物や、基礎疾患により麻酔のリスクがある場合には、結紮処置は有効な治療法かもしれません。

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