レオどうぶつ病院 診療日記

2015年3月28日 土曜日

犬の花粉症。逆くしゃみはアレルギー反応のひとつ?


毎年、春と秋になると発作的な吸い込み呼吸、いわゆる「逆くしゃみ」を連発するワンコが来院しました。散歩で外に出るとズィーズィーと音を立てて吸い込む逆くしゃみが始まり、ひとしきり続くと自然に治まるとの事でした。

逆くしゃみが臨床的に大きな問題となることは少なく治療の必要もないとされていますが、どのようなメカニズムによる現象なのか良く分かっていないというのが実情かもしれません。最近、逆くしゃみはアレルギー反応のひとつではないかとも考えられています。

このワンコの症状もヒトの花粉症に良く似ています。飼い主さん自身も花粉症の治療をされている方でしたので、ワンコにも花粉症の治療をしてみようということになりました。抗ヒスタミン剤を投与し始めると、確かに逆くしゃみが減少したとの事でした。毎年、ゴールデンウィーク明け頃まで逆くしゃみが続くとの事でしたので、その期間を抗ヒスタミン剤で乗り切りました。

先日、予防接種に来院した際にその後の様子を聞きました。
その後、秋と春には草むらに入るのを控え、今年の春は逆くしゃみも少なくて済んでいるそうです。

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2015年3月 1日 日曜日

心臓病を抱えた犬の無麻酔での歯石除去処置

キャバリアは遺伝的に心臓病の多い犬種です。ハッピーちゃんは5歳の時に心雑音が聴取され、心臓病の進行をゆっくりさせるACE阻害剤の投薬を開始しました。現在は9歳になり、心雑音のレベルは6段階中の6まで増大しましたが、今のところ臨床症状もなく家でも飛び回っているそうです。

今日は病院にお泊りに来ています。
その間にグルーミングとデンタルケアをご希望されています。
歯石の付着による重度の歯周炎があります。
歯周病菌からの細菌毒素が心臓に悪影響を及ぼす可能性もあります。
しかし心臓病を患っているため、全身麻酔下での歯石除去にはリスクが伴います。
幸い大人しい子なので無麻酔での簡単なスケーリングを行うこととしました。

歯石が取れて、再び白い歯が見えるようになりました。
歯周病により歯肉が赤くはれているのが分かります。

歯科用鉗子で歯石を挟むとパカッと塊りではがれます。
細かい歯石をハンドスケーラーで除去します。
最後に酵素歯磨きでブラッシングしました。

尖った器具を使用しますので大人しい子限定の処置です。
心臓病の子は興奮すると心臓に負担がかかりますので注意が必要です。

歯石が取れてキレイになった後は、歯磨きなどのデンタルケアで維持を心がけましょう。

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