レオどうぶつ病院 診療日記

2014年10月12日 日曜日

犬や猫の肛門嚢炎。肛門を舐めたり、地面にこすったり。

犬や猫がお尻を舐めたり、地面にこすりつけて歩くのを見ることはありませんか?
それは肛門腺が溜まっているのかもしれません。
肛門の両脇に肛門嚢という匂い袋があります。時計で言うと肛門を中心に4時と8時の辺りにあります。
よく犬同士がお尻の匂いを嗅ぎ合っていますね。
スカンクという動物は肛門腺が発達していて、危険を察知すると臭い肛門腺液を噴出して飛ばし、外敵から身を守ります。

このワンちゃんは肛門をしきりに舐めて、こすり付けるとのことで来院しました。
肛門の辺りから血膿のようなものが出たが、痛がって触らせないとの事でした。

診察をすると肛門の両側が膨らんで、肛門腺の貯留が疑われました。



良く観察すると右の肛門膿が破裂し、皮膚に破れた部分があるのが分かります。
肛門に指を入れて内側と外側から肛門嚢を挟みこみ圧迫するとドロドロの膿が大量に出てきました。



肛門嚢内に感染が起こり、肛門嚢炎を起こしていたのです。
その後、抗生剤の投与により軽快いたしました。

正常な肛門腺液は臭いですが、もう少し水様です。
トリミングに出すと肛門腺も絞ってもらえたりします。
「肛門腺なんて絞った事ないわ」というワンちゃんやネコちゃんは、排便時に自然に出たり、自分で舐めてお掃除しているのです。
肛門腺液が貯まりやすい(自然に出にくい)子は、お尻を気にし出したら絞ってあげる必要があります。
肛門腺内容がもともと硬めで自然には出なくて、ご家庭で絞ろうとしてもうまく出せない場合には、破裂してしまう前に来院してください。

投稿者 レオどうぶつ病院

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