レオどうぶつ病院 診療日記

2015年1月27日 火曜日

甲状腺機能低下症、糖尿病、慢性腎不全を併発した犬 麻生区

8歳、雄ののジャックラッセルテリアが難治性の膀胱炎、体重増加と多飲多尿を主訴に来院した。
血尿に対して抗生物質、止血剤、ステロイド剤で治療をしていたが、投薬をやめると血尿が再発するとの事であった。

当院初診時、食欲旺盛で体調は良いものの以前は7kgだった体重が9kg(ボディコンディションスコア5)に増加し過度の肥満であった。

全身の被毛は粗剛で艶がなく、腹側面や尾などは薄毛であった。
多飲多尿であり、尿の切れが悪く、尿が泡立つとの事であった。
体重が増えてから右後肢の爪を擦って歩くようになった。
今回は、難治性の血尿や体重増加、多飲多尿などの背景に基礎疾患が隠れている可能性を疑い、各種検査を行うこととした。

レントゲン検査では肝臓の腫大と前立腺の軽度腫大、消化管内の砂利様の陰影が認められた。

超音波検査では胆嚢の拡張と胆泥の貯留と膀胱内には大量の尿貯留があったが粘膜の肥厚や結石などは認めなかった。
前立腺の実質は均一で直腸検査では表面は平滑であった。

血液検査では軽度の貧血と腎パネルの上昇が認められた。ALP、総コレステロール、血糖値も高値であった。

尿検査では比重1.020とやや薄い尿であったが尿蛋白(+)、尿糖(+++)、ケトン(-)であった。

この時点で肥満と糖尿病に対しての食事療法と経口血糖降下剤を
慢性腎不全に対してはリン吸着剤を処方した。
追加検査として甲状腺ホルモン検査を検査センターに依頼した。

後日、ホルモン検査の結果から甲状腺機能低下症と診断し、甲状腺ホルモン製剤を追加処方した。


治療開始から1ヶ月後。食欲は旺盛であるが9kgあった体重が8.25kgに減少。下がっていた尾が上がるようになった。

血糖値と甲状腺ホルモンの血中濃度は正常範囲になったが、腎臓のパネルの数値は更に上昇し、貧血の状態も続いた。
食事療法は減量食から腎臓食に変更した。


治療開始から3カ月。更に元気になり散歩も休まずに歩きまわるようになった。
食欲旺盛だが、体重は8.45kgに維持。被毛に変化がみられ、毛艶が良くなったために近所の人からも若返ったと言われるようになった。薄かったお腹の毛も生え、皮膚の色素沈着も軽減した。

血液検査では腎パネルの改善傾向に伴い貧血も改善してきた。

治療開始から5カ月現在、定期検診を続けながら内科療法を継続している。

投稿者 レオどうぶつ病院

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